AIやIoTなど様々なデジタル技術の進化により、ビジネスを行ううえでこれらの技術を活用することはもはや当たり前となっています。
この記事では、小売や飲食店などの店舗におけるDX(デジタル変革)の概要と、店舗DXの先進的な導入事例を10事例をご紹介。
店舗DXの推進に役立つおすすめツールもまとめているので、デジタル技術の活用方法でお悩みの企業様はぜひ参考にしてみてください。
Contents
- 1 店舗DXとは?
- 2 店舗DXの導入・活用事例10選
- 2.1 店舗DXの事例①レジに並ばない新しい買い物方法の確立
- 2.2 店舗DXの事例②モバイルオーダーサービスの活用で待ち時間を短縮
- 2.3 店舗DXの事例③電子荷札×セルフレジの導入で人件費を削減
- 2.4 店舗DXの事例④電子棚札システムの活用で作業効率UP
- 2.5 店舗DXの事例⑤AI決済の導入で店舗の無人化を実現
- 2.6 店舗DXの事例⑥ショップ専用アプリをリリースし顧客の囲い込みを実現
- 2.7 店舗DXの事例⑦オンライン接客ツールを用いたコーディネート提案で売上向上
- 2.8 店舗DXの事例⑧VR空間でのショールーム開催
- 2.9 店舗DXの事例⑨インタラクティブ動画を取り入れCV率を向上
- 2.10 店舗DXの事例⑩AIカメラで消費者の行動を分析し店舗レイアウトを改善
- 3 DX推進のために導入するべきツールとそのメリット
- 4 店舗におけるDXと事例まとめ
店舗DXとは?

DXとは、Digital Transformation(Digital X-formation)の略で、“デジタル技術の活用によってビジネスの形やライフスタイルを変革させること”を意味する言葉です。
経済産業省が発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、DXを以下のように定義付けしています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
では、店舗運営にDXを導入する場合、どのような選択肢があるのでしょうか。
まずは店舗DXの主な種類と、店舗DXを推進することの必要性・メリットについて見ていきましょう。
2種類の店舗DX
店舗DXとは、店舗運営に伴う様々な業務にITツールやデジタル技術を導入し、新しい顧客体験の創出や業務プロセスの改善を目指す取り組みのことです。
店舗DXは主に「店舗運用にかかるDX」と「店舗体験にかかるDX」の2種類があり、それぞれ具体事例として以下のような施策が挙げられます。
店舗運営にかかるDX(=店舗における業務の効率化)
- 会員カードの電子化・アプリ活用
- キャッシュレス決済への対応
- 電子荷札・セルフレジによる省人化
- AIカメラを活用した店内の動態分析 など
店舗体験にかかるDX(=店舗そのもののオンライン化)
- オンライン接客ツールの活用
- VR・アバターなどを利用した仮想店舗・ショールーム構築
- インタラクティブ動画を用いた資料案内 など
店舗DX推進の必要性・メリット
2020年から続く新型コロナの影響で、不要不急の外出や対面サービスの利用を控える動きが強まり、企業では新たな生活様式に適したビジネスモデルの構築が急がれています。
またインターネット通信やスマホなどのモバイル端末の普及によってECサイトの利用率は上昇し続けており、すでに店舗の売上だけでは生き残れない時代へと変化しているのです。
店舗DXを実現することで期待できるメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
- オンラインサービスの充実により多様化する顧客のニーズに適応し、顧客満足度の向上を実現できる
- “ウィズコロナ”を意識した非接触・非対面サービスの実現で顧客離れを防止
- 店舗の省人化・無人化によって人手不足を解消できる他、人件費の削減にも繋げられる
- 一部業務を自動化させることで業務効率を高め、接客サービスの質向上や新サービスの提供に注力できる など
店舗DXの導入・活用事例10選

ここからは、実際に店舗DXを導入し、一定の成果をあげている企業の事例をご紹介していきます。
店舗DXの事例①レジに並ばない新しい買い物方法の確立
大手の総合スーパーでは、店舗専用のスマートフォンを貸し出して、顧客自身が商品のバーコード読み取り・会計を行うことができるサービスを展開しています。
レジに並ぶ必要がなくなることで、レジの待ち時間や店舗の滞在時間を削減する効果が期待できるでしょう。
またこちらの事例では、レジ待ちのストレス軽減による顧客満足度の向上効果なども見込まれています。
店舗DXの事例②モバイルオーダーサービスの活用で待ち時間を短縮
全国展開を行っているコーヒーチェーン店では、2020年末からモバイルオーダーサービスを導入しています。
スマホアプリから事前に注文・決済を済ませておくことで、レジや商品提供の待ち時間削減を実現。
またこちらの事例では、事前注文時におけるカスタマイズの利用率が伸び、顧客体験の向上にも繋がっています。
店舗DXの事例③電子荷札×セルフレジの導入で人件費を削減
電子荷札とセルフレジの組み合わせによって人件費削減に成功した大手ファッションブランドの事例です。
こちらの事例では、電子荷札を用いることで瞬間的に商品の種類・価格を読み込み、更にセルフレジによって自分のペースで支払いができるという仕組みが導入されています。
レジスタッフの数を大幅に減らすことができ、人件費の削減などに効果が出ています。
店舗DXの事例④電子棚札システムの活用で作業効率UP
「電子棚札」のシステムを全店舗に導入することで、業務効率化を達成した家電量販店の事例です。
こちらの事例では、棚札を電子化して価格変更やセール情報などを一括で更新できるような仕組みを導入。
実際に、増税時の価格変更がほぼ0時間で完了したなど、作業効率の大幅な改善効果が出ています。
店舗DXの事例⑤AI決済の導入で店舗の無人化を実現
センサーカメラ・重力カメラなどを店舗に取り付けることで、店舗の無人化に対応した事例も。
こちらの事例では、顧客が手に取った商品をAIカメラにリアルタイムで認識させることで、レジ打ちの必要もなくスピーディーに会計できるという仕組みが導入されています。
セルフレジよりも省人化の効果が大きく、人件費の削減や新型コロナの感染対策などに役立っています。
店舗DXの事例⑥ショップ専用アプリをリリースし顧客の囲い込みを実現
店舗独自のスマホアプリを開発し、新規顧客獲得や既存顧客の囲い込みに成功した百貨店の事例です。
こちらの事例では、アプリ内でオンライン接客の予約やショッピングを利用できるようにしたことで、百貨店の利用率が低い若年層の顧客の獲得に成功。
また「せっかくアプリを入れたから」と、積極的にショッピングを利用する顧客が増え、店舗を上回る顧客単価を達成した月もありました。
店舗DXの事例⑦オンライン接客ツールを用いたコーディネート提案で売上向上
あるアパレルショップでは、ビデオ通話型のオンライン接客ツールを利用したコーディネート提案によって、ECサイトの売上向上に成功しています。
こちらの事例では、顧客のニーズに応じた商品紹介の他、手持ちの服をもとにしたコーディネート提案を実施。
1人1人に寄り添った接客を行うことで、クロスセルによる売上向上の効果を実現しました。
店舗DXの事例⑧VR空間でのショールーム開催
不動産やインテリア業界では、VRを活用したショールームの開催が広がりを見せています。
VRによるショールームの再現で、自宅にいながらも実際に会場を訪れているような体験を提供でき、結果として高い顧客満足度・成約率を達成したという事例が複数あります。
またこちらの事例では、オンライン接客ツールを組み合わせて現地スタッフとのやり取りを可能にしているケースも多いようです。
店舗DXの事例⑨インタラクティブ動画を取り入れCV率を向上
金融・保険業界の企業では、インタラクティブ動画を取り入れたマーケティングが行われています。
インタラクティブ動画とは、再生の途中で視聴者が触れられる仕掛けを組み込んだ動画のことで、ニーズ調査やアンケートなどに用いられる仕組みです。
自分で選択しながら動画を進めていけるため、視聴回数や視聴時間などのエンゲージメントが高まり、CV率の向上にも効果が出ています。
店舗DXの事例⑩AIカメラで消費者の行動を分析し店舗レイアウトを改善
店内にAIカメラを複数台設置し、消費者の行動分析や混雑状況の調査を行えるようにしたスーパーの事例です。
こちらの事例では、AIカメラが撮影した映像データから消費者の行動(滞在時間の長い売場・混雑しやすいルートなど)を分析し、可視化できるサービスを導入。
分析をもとに売り場のレイアウトやスタッフの配置数を改善したことで、店舗全体の売上向上に繋がっています。
DX推進のために導入するべきツールとそのメリット
ここからは、NECネッツエスアイが提供する店舗DXのためのツール・サービスをご紹介。
前述した導入事例の中にも登場しているツールになるので、店舗DXのやり方でお悩みの企業様はぜひ最後までチェックしてみてください。
オンライン接客ツール【LiveCall】

LiveCallはBtoC利用に特化したビデオ通話型のオンライン接客ツールです。
ITツールの操作に不慣れな方でも使いやすいシンプルなUIと、用途に応じて通話方法を切り替えられる優れた機能性が特徴で、幅広い業界で店舗DXに用いられています。
またブランドロゴやカラーリング設定にも対応しており、企業のブランドイメージに合わせたデザインが可能な点もメリットの1つ。
LiveCallに搭載されている主な機能は以下の通りです。
機能 | 概要 |
---|---|
ビデオ通話・音声通話 | ブラウザからワンクリックで動画接客を開始。音声のみの通話も利用可能です。 |
テキストチャット | 通話と並行してチャットのやり取りを行うことができます。補足情報の送信に有効。 |
録音・録画 | 通話内容の記録が可能です。フィードバックや品質向上に役立ちます。 |
通話前アンケート | 通話開始前に簡易的なアンケートを実施できます。 |
予約カレンダー | スタッフの対応可能枠を示し、予約の受け付けを行います。指名機能なども搭載。 |
カード決済 | クレジットカード決済に対応。通話中の商品購入も可能です。 |
モニタリング | スタッフのログイン状況・通話対応をリアルタイムで確認できます。 |
顧客動態の可視化サービス【PictLess】

PictLessは特殊なセンサーによって店舗の混雑度や通行量などを取得・分析し、可視化できるサービスです。
設置工事などは不要で、置き場所の変更も簡単に行えるのが特徴。
PictLessでデータを取得することで、効果的な店舗のレイアウトやスタッフの配置方法の検討に役立ちます。
PictLessで取得できるデータの概要は以下の通りです。
混雑度マップ | 店舗レイアウトの映像上に混雑度バブルを表示 |
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混雑度の時間推移 | 時間ごとの混雑度を棒グラフで表示 |
混雑度の日別推移 | 1週間単位の日別での混雑度を棒グラフで表示 |
LINE連動オーダーサービス

LINE連動オーダーサービスは、その名の通り「LINE」を利用したモバイルオーダーのサービスです。
国内での利用者が多いLINEを活用し、チャットボットとのやり取りによるシンプルな操作で商品の注文から決済までを完結させることができます。
事前に注文・決済を済ませておくことで、店舗でのオーダー・会計時間が短縮され、商品受け取りの効率化やコロナ感染対策といった効果が見込めます。
店舗におけるDXと事例まとめ

- 店舗DXは、ITツールやデジタル技術の活用で、新しい顧客体験の創出や業務プロセスの改善を目指す取り組みのこと
- すでに小売業界や飲食業界など、様々な業界・企業で店舗DXの成功事例が出てきている
- これから店舗DXをはじめるなら、NECネッツエスアイが提供する接客ツールやオーダーツールの活用がおすすめ
NECネッツエスアイでは、今回ご紹介した3つのサービスをまとめた「小売DX」の提供を行っています。
各ツールの導入から運用までの幅広いサポート・支援が可能ですので、店舗DXのやり方でお悩みの企業様はぜひ一度お問い合わせください。