行動認識とは?AI学習を活用した監視システムを紹介

行動認識技術の仕組みと導入メリットを解説

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防犯やセキュリティ対策の分野において、映像から人物の行動を判断する「行動認識AI」が活用されています。

この記事では、行動認識AIの基本的な仕組みと導入メリットを解説します。

行動認識AIを搭載したNECネッツエスアイの監視システム【OWLai】の特長もまとめているので、合わせて参考にしてみてください。

行動認識とはどのような技術?

NECネッツエスアイが提供する監視システム「OWLai」には、AIパートナーの1社である「Asilla(アジラ)」の行動認識AIが搭載されています。

「Asilla(アジラ)」の行動認識AIはセンサー等を必要とせず、カメラ映像に映る人物の骨格や行動を学習して姿勢推定と時系列解析に基づく推論結果を出力するシステムです。

まずは、「Asilla(アジラ)」の行動認識AIを例として、行動認識技術の基本的な仕組みを見ていきましょう。

姿勢推定技術(Pose Estimation)

カメラ映像に映る人物の関節座標を検出することで人物の全身を把握し、リアルタイムに姿勢推定を行う技術です。

ディープラーニングを使用することで衣服の上からでも骨格や座標を検出できる他、モーションキャプチャ用のマーカーや慣性センサーといった特殊な機材も必要としません。

人物トラッキング技術(Human Tracking)

人物トラッキングとは、カメラ映像に映る人物に自動でIDを割り振って追跡する技術のことです。

各人物に発行したIDが遮蔽や交差によって混乱すると時系列処理が破綻してしまうため、行動認識AIを実現するうえでは強靭なトラッキング技術が求められます。

Asilla(アジラ)のトラッキング技術は高い追随性を誇り、短時間の遮蔽に対応可能。

行動推定技術(Behavor Recognition)

姿勢推定によって出力された情報及び人物トラッキングによるID情報を総合し、特徴的な行動や異常行動を検知する技術です。

ベースとなるAIアルゴリズムには、Auto Encoder・ One-Class Classification・ LSTM・ Graph Convolutional Networks等が活用されています。

AIモデル圧縮技術(Quantization, Distillation)

こちらは姿勢推定・人物トラッキング・行動推定に消費されるリソースを圧縮する技術のことです。

Quantization(量子化) 重み等のパラメータをより小さいビットで表現することでモデルを軽量化する手法
Distillation(蒸留) 大きいモデルを教師モデルとして、その知識を小さいモデル(生徒モデル)の学習に利用する手法

Asilla(アジラ)はこのAIモデル圧縮技術を用いることにより高いコストパフォーマンスを発揮しています。

行動認識AIを導入するメリット

続いて、オフィスや商業施設の監視システムとして行動認識AIを搭載するメリットについて見ていきましょう。

事件・事故の防止

行動認識AIを導入することで、以下のような犯罪・不正行為の抑制効果が期待されます。

  • 部外者の侵入
  • 不法投棄や落書き等のイタズラ
  • 店舗利用者による万引きや恐喝 等

行動認識AIが導入されれば、カメラ映像に映る人物の行動を瞬時に検知できるようになるため、不審な動きをしている人物を速やかに特定することが可能です。

また行動認識AIによって施設内外の監視を強化することで、犯罪を計画していた人物が「この建物はリスクが大きい」と判断し、侵入や犯行を断念する可能性も高まります。

行動認識AIは不審人物や迷惑行為の発見だけでなく、未然に犯罪を防ぐという意味でも有効な手法だと言えるでしょう。

トラブルが発生したときに証拠データを残せる

行動認識AIはカメラ映像に映る複数の人物を識別し追跡することが可能です。

そのため、店舗の混雑や警備員不足等の理由で不審者の捕獲が遅れてしまった場合でも、記録されたカメラ映像を活用することで犯人・犯行車両を速やかに特定できるでしょう。

行動認識AIを搭載した監視システムの映像は、警察の捜査資料としても実際に活用されており、その有効性が実証されています。

監視業務の効率化

行動認識AIを導入することで、複数拠点の監視業務を並行できるようになり、大幅な業務効率化を見込めます。

またこれまで監視業務にあてていた人的リソースを別の業務に割り振り、サービスの品質や顧客満足度の向上を図るための施策に取り組むといったことも可能となるでしょう。

特に警備業界等は深刻な人材不足の課題を抱えているため、行動認識AIを活用した人材配置・業務の効率化は欠かせない取り組みの1つと言えます。

警備業務の効率化が可能!NECネッツエスアイの監視システム【OWLai】

おすすめツール【OWLai】の概要とサービスの種類

ここからは、NECネッツエスアイが提供する遠隔監視システム「OWLai(オウライ)」の特長やサービス内容を紹介していきます。

OWLaiの特長

OWLaiは、AIの学習を利用した映像データの解析技術によって、業務改善等の新しい価値を生み出す監視システムです。

冒頭で紹介した「Asilla(アジラ)」の行動認識AIが採用されており、主に以下のような特長があります。

  • 豊富で選べるAI……豊富なラインナップから利用シーンに合わせたAIの組み合わせが可能です。
  • 高い解析技術……NECネッツエスアイのSlerとしての経験と自社実践に基づく高品質なサービスを提供します。
  • かんたん導入……既存カメラとの組み合わせやAPI連携の活用で素早く導入・運用を開始できます。

OWLaiのデータ活用STEP

OWLaiによる映像データの活用ステップは以下の通りです。

ステップ1 映像収集 仕事の現場や公共施設等、様々な環境で生成される情報を映像として収集
ステップ2 見える化 AIの学習を活用して映像データを解析、情報化
ステップ3 分析 解析した情報の判別・分類を行ってデータ化
ステップ4 通知 解析結果に応じて必要なツールへ通知

実世界で生成される膨大な情報から価値のあるデータを抽出し活用することで、判断の支援や作業スピード・正確性の向上等に役立てることができます。

NECネッツエスアイでは、OWLaiによる解析データの通知先として利用可能な外部ツール(Zoom・Canario等)の導入・運用支援も実施しているので、こちらも合わせてご相談ください。

警備に役立つ違和感検知サービス

違和感検知サービスとは、行動認識AIを活用して普段とは異なる行動をする人を素早く検知・通知するシステムのことです。

通知された内容に応じて次の行動を判断できるため、人による常駐警備・巡回の削減が可能となります。

また違和感行動の見落としや属人化による偏りがなくなることで、監視業務の高度化にも役立てられるでしょう。

以下はOWLaiのAIパートナーの1社であるAsilla(アジラ)Asilla(アジラ)が公開している実演動画です。

Asilla(アジラ)が開発した行動認識AIの学習により、これまで見落とされていた迷惑行為や不審行動を素早く発見できる様子がよく分かるので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

  • 行動認識AIは、姿勢推定や人物トラッキングの情報に基づいて人物の行動を推定・検知する仕組みのこと
  • 行動認識AIを導入することで、セキュリティ対策の強化や業務効率化といったメリットが期待できる
  • 監視システムとして行動認識AIを導入する場合は、強靭なトラッキング機能が搭載された「OWLai」がおすすめ

近年は国全体で防犯やセキュリティ対策への意識が高まっており、監視システムを導入する企業も増えています。

行動認識AIはセキュリティ対策の強化と業務効率化を両立できる注目のシステムとなっているので、警備体制の省人化をお考えの企業様はぜひ一度NECネッツエスアイまでご相談ください。

※記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

symphonict

SymphonictとはNECネッツエスアイが提供する、「共創でお客様のビジネスに新たな価値を提供する」をコンセプトに先端技術やサービスを繋ぎ・束ねることでIT・デジタル変革技術やツール・システムを皆様にお届けするデジタルトランスフォーメーション(DX)サービス。→Symphonictに関してはこちら

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