最近、注目されるリモートワーク。
このリモートワークのことを話すとついついメリットのことを話しがちですが、デメリットも当然存在します。
そこで、この記事ではリモートワークを導入することのデメリットを企業サイドと社員や働き手サイドから考察するとともに、それらを解決できる方法とは何かをお話していきます。
そもそもリモートワークとは。またその実態とメリットはどのようなものがある?
まず、リモートワークとは何かをおさらいします。
リモートワークはいわゆる遠隔勤務のこと。
従業員がオフィスと離れたところにいる状態で、会社とコミュニケーションを取りながら働くスタイルを指します。
リモートワークの同意語としてはテレワーク(telework)という言葉があり、こちらも広く使われています。
テレワークは以前は電話を使った遠隔勤務(telephone work)としても使われていますが、インターネットが普及した現在では電話を使った遠隔勤務という意味ではあまり使われなくなってきています。
在宅勤務という言葉もありますが、これは社員がオフィスではなく在宅で仕事をすることを指し、リモートワークの一部と位置付けるのが良いでしょう。
リモートワークのメリットとは
さて、このリモートワークワークの仕事におけるデメリットをお話しする前に、メリットについてまずは解説します。
リモートワーク導入による仕事上のメリットは以下のようなものが挙げられます。
- 社員の業務生産性の向上
- 社員の通勤時間、労力の節約
- 社員の健康状態の改善
- ライフスタイルに合った働き方
- 企業サイドの経費削減
- 企業側の採用成功率向上
- 感染症対策など非常時での事業継続が可能に
それぞれのリモートワークのメリットを解説します。
1)社員の業務生産性の向上
オフィスから離れてリモートワークすることにより、社内間での余計なコミュニケーションやミーティング参加時間の削減、付き合いや接待などが減ることで、社員が業務に集中できるようになり業務生産性の向上が見込むことができます。
またオフィスの周りの環境、騒音や内線電話の呼び出し音、他の社員の業務電話などに煩わされることも減るでしょう。
2)社員の通勤時間、労力の節約
社員にとっては毎日のオフィスまでの通勤は非常にストレスフルで辛いもの。
仕事前、仕事後に1時間以上電車に乗るという方も少なくありません。
時間だけでなく、満員電車を使わなくてはいけない、感染症などの不安を考えると通勤時間は大きなデメリットと言えるでしょう。
在宅やリモートで仕事をすることでこれらのデメリットから開放されます。
3)社員の健康状態の改善
通勤時間不要、労働環境の改善が行われることによりメンタル的にもフィジカル的にも社員に大きなプラスとなります。
これにより社員は自分の時間を趣味や家族と過ごす、ゆっくり食事や睡眠を取ることが可能になります。
それにより社員の健康状態の改善にもつながっていくでしょう。
また在宅や自宅近くで働くのであれば、ランチタイムや終業後の時間を使い、自宅近くのかかりつけの病院に通うこともできるようになります。
4)ライフスタイルに合った仕事の仕方
子育てや介護、家庭内などの問題、健康上の問題と人それぞれが抱える問題は様々。
それらライフスタイルに合った仕事の仕方の選択肢がリモートワークによって増えることになります。
特に女性は結婚した後など家事、妊娠、出産、子育てと働くことが難しい状態になることも珍しくありません。
そのような場合、リモートワークであれば在宅で子供をみながら仕事をするなど新しい働き方ができるでしょう。
5)企業サイドの経費削減
企業サイドにも多くのリモートワークがもたらす仕事上だけでないメリットがあります。
その中でも最も目に見えやすいものが経費の削減です。
リモートワークにより、社員のデスクやチェアーなどをはじめ、交通費なども削減することが可能。
また、会社に来る人数が減ることにより大きく広いオフィスもそもそも不要になるかもしれません。
それによりオフィスの家賃、光熱費などを節約できるでしょう。
6)企業側の採用成功率向上
これまでは採用にあたり、勤務地などを考慮して求人を出したり、採用戦略を立てなくてはいけませんでした。
せっかく良い人材がいても遠隔地に住んでいるので採用を諦めるのはデメリットと言えるでしょう。
そこでリモートワークでの働き方で採用に至るのであれば、企業としての採用成功率向上に大きく繋がります。
人材難と言われる昨今、採用にかかるコストやリソースは大きな負担となります。
リモートワークを導入すれば、海外の人材も採用できますので、大きな改善の鍵となるでしょう。
7)感染症対策など非常時での事業継続が可能に
2020年の新型コロナが流行やしばしば起こる地震などの非常事態では社員の通勤自体がままならず、業務がストップしてしまうことも考えられるのではないでしょうか。
そんな場合にもリモートワークが導入されていればスムーズに業務スタイルを切り替えることができ、事業継続が容易になります。
事業がストップしてしまうと企業にとっては大きなデメリット。それらの対策としてリモートワークを導入していると安心です。
リモートワーク導入のデメリットやその理由とは
このようにリモートワーク導入には仕事上、またはコスト面などで多くのメリットがあります、では逆にデメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。
企業側と社員、働き手側でそれぞれデメリットを考えてみました。
企業側のデメリット
- 仕事のタスク管理が難しい
- コミュニケーションが少なくなる
- データ管理などセキュリティ面で不安
- 定期ミーティングや朝礼などができない
これらデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
タスク管理が難しい
リモートワークの経験がない企業の管理職の方などが一番不安に思うデメリットはこれではないでしょうか。
日本の従来の働き方では「人の目がないと、仕事をサボる」という考え方がないとは言い切れません。
確かに社員がオフィスにいないと勤怠管理が難しいと言えます。
コミュニケーションが少なくなる
オフィスでの無駄話は多すぎては問題ですが、社員の一体感などを考えるとコミュニケーションは最低限欲しいところ。
全く話をしなくなるのではデメリットと言えます。
それは同僚同士ではなく、上司と部下の仕事上での関係でも同じことが言えるでしょう。
データ管理などセキュリティ面で不安
データ管理も大事な問題です。社内秘のデータや顧客に関するデータなどデータの扱いには頭を悩ませるところ。
リモートワークを導入するとデータ管理やセキュリティに関するガイドラインの用意も必要になります。
定期ミーティングや朝礼などができない
社内で行われる定期ミーティングや朝礼などができなくなるのもコミュニケーションを重視する企業にとっては大きなデメリットと言えるかもしれません。
リモートワークだと社員がオフィスに顔を揃えないのでミーティングが行えなくなります。
社員、働き手側のデメリット
社員、働き手側のリモートワーク導入によるデメリットはそれほど多くはないかもしれません。
- 質問や確認などがやりにくい
- 社内での共有などがされにくい
- 仕事の成果が伝わりにくい
- ミーティングを開きにくい
このようなものが挙げられます。
どちらかというと企業側のデメリットと表裏一体になっているとも言えるでしょう。
やはりオフィスにいないことによるコミュニケーションや仕事の成果のアピールが難しいようです。
デメリット解決のための方法
このように確かにリモートワーク導入によるデメリットは存在します。
しかしこれらデメリット解決は十分可能です。
タスク管理や仕事の成果確認はビジネス管理ツールで可能。そして働き手の心理を理解する
これらのお話をするにあたり、性悪説か性善説で話をしなくてはいけません。
いわゆる性悪説は、人は目を離すと仕事をしなくなる、サボるというマイナスの考え方。
しかし、逆の考え方として性善説、つまり人は自分の能力の証明や向上のために努力をするというプラスの考え方もあるということ。
リモートワークは自由な時間を与えられるのでサボりがちだと考えられることが多いのですが、実はそうとは言い切れません。
雑音や余計な物を排除して効率的な働き方ができているので、短時間でも多くの成果をあげることも可能だということです。
あくまでも見るべきは成果や達成度です。
そのためには会社やチームとして共通目標を設定する、個人のタスクをTodoリストにする、達成状況を報告させるなどで十分デメリットは解消できると言えます。
またタスク管理の為のビジネスツールもたくさんあるので、導入を検討しても良いかもしれません。
コミュニケーションはビジネスチャットツールでやりとり
リモートワークを実際に導入している会社の中にはリモートワークを導入してからの方がコミュニケーションが多くなった、頻度が増えたという声もあるのです。
これはどういうことかというと、Slackなどのビジネスチャットツールを導入することで端的に情報のやり取りができるために密なコミュニケーションが取りやすいということ。
無駄話は決してコミュニケーションではないので、ビジネス面だけを考えるとリモートワークは決してデメリットとは言えません。
ミーティングや確認、共有はZoomで解決
ミーティングや定例会議、朝礼などができなくなることはリモートワークのデメリットとして確かに以前は存在していました。
しかし今はWeb会議ツールであるZoomがあるのでそういった心配はありません。
このZoomはITにそれほど詳しくない人でも簡単に使うことができ、低コストでいつでもオンラインでミーティングを行うことができる優れたツール。
全世界100万以上の企業や団体に導入されている確かな実績があり、日本でも多くの企業がリモートワークにおけるミーティングにはZoomを利用しています。
ZoomはWebミーティング内で画面共有や資料共有などが行えるので、社内共有やプロジェクトの進行も問題なく行えることでしょう。
データ管理はVPN構築や定期的なパスワード変更、取り扱いのガイドライン作成を
これらの問題は確かに”起きてしまうと大きなデメリット”です。
大事なのはこのようなデータに関する問題をどう起こさないか、デメリットにしないかの対策を行うべき。
- セキュリティに関しては以下のような対策を取るのが良いでしょう。
- アクセスを会社支給のPCなどの端末に限定する
- セキュリティソフトをインストールする
- 公共のWi-Fiの利用禁止
- 端末にパスワードをかける
- プライバシーフィルターをかける
- データ管理のガイドラインを作る
- VPN環境の構築
データ管理のデメリットに関してはリモートワークに問題があるのではなく、データの扱い手に問題があることがほとんど。
それは在宅でもオフィス勤務でも変わりません。
データ管理は企業として取り組むべき問題でもあるので、リモートワーク導入とともに見直してみるのが良いでしょう。
記事まとめ
いかがだったでしょうか。今回の記事ではリモートワーク導入におけるデメリットについて解説してきました。
実際にこう比較しても時間やコスト、ワークスタイルの多様化が求められる今、リモートワークはデメリットよりもメリットが多い働き方なので、ぜひ御社にも導入されることをおすすめします。
とはいっても、いきなり社員全員がオフィスを離れてリモートワークにするべきという意味ではありません、会社それぞれにあった働き方がありますので、まずは段階的に導入していくのが良いでしょう。
またリモートワークはデザイナーやプログラマーなど成果が見えやすい職業に向いているとも言えます。
これらのポジションから先にリモートワークを導入してみるのも良い方法です。
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